中古アパートの購入は危険?
中古アパートのメリット
不動産投資を行う場合、物件を新築にするか中古にするかを選ぶ必要があります。多くの方は新築に魅力をより感じるかもしれません。オーナーになる以上、新しくきれいな物件を所有したいと思うのは当然の話です。しかし中古アパートとはいえ悪いわけではありません。中古アパートにも魅力はあります。
中古アパートを購入するメリットについて説明しましょう。まず中古物件は取得費用が安いという点が最大の魅力です。自己資金が少ない方やローン返済が心配な方は、可能な限りコストを安くしたいはずです。その点新築と比べて3割近く購入できると言われる中古物件は魅力的です。組むローンの月々の返済額を抑えられ、家計を圧迫しません。
さらに価格が安い事は表面利回りが高水準になる事につながるでしょう。入居率の計算が容易なため、投資計画を立てやすいという点も指摘できます。そして物件数が多いため、条件にかなう物件を見つけやすいという利点もあります。
中古アパートのデメリット
しかしデメリットも無視すべきではありません。中古の場合、程度によっては大規模修繕が必要になる恐れがあります。リフォーム費用にかなりのコストがかかる場合、購入費用が仮に安く抑えられたとしても最終的にうま味を感じなくなるという事もありえます。また築年数がだいぶ経った物件の場合、設備の老朽化や意匠性の低さから人気が出ない可能性も考えられます。当然購入前に入居率について調査するとはいえ、築年数が数十年ともなる場合は入居率が下がるかもしれません。資金調達の観点からも不安があります。仮に物件の耐用年数が短い場合、金融機関からの融資が受けづらくなる恐れもあります。
中古アパートの購入は危険?
以上の点を踏まえた場合、中古アパートの購入は危険かどうか述べると、状況によると言えるでしょう。中古アパートでも物件やエリアによって差があります。例えば地方の物件を選ぶ場合、物件価格の安さから安易に投資したくなるかもしれません。しかし地方では空き室リスクが高い傾向があります。物件を安く購入したとしても家賃収入が得られない場合は元も子もありません。利回りに目をとられて投資が失敗するケースは珍しくありません。
一方ニーズの大きい地域、例えば東京23区の場合は入居率において地方ほど心配はいらないと言えます。もちろん23区とはいえ、その中でニーズの低い不便な場所に物件を構えては意味がありません。実際2016年3月の23区のアパート空室率は約3割にものぼります。ただしこれは相続税対策のためにアパート建設ラッシュが起こった事と、建設されたアパートのニーズが低いことに由来するものです。需要が大きい23区内の立地のアパートの場合はその例ではありません。
最終的に中古アパートが良いか新築アパートが良いかは一概には言えないことです。中古アパートでも立地が良く、耐用年数もある程度あり、デザイン性も悪くない場合は購入の価値はあります。いずれにしても判断する際は専門家に相談する方が賢明です。