複数アパートを建てるときの注意
複数の不動産投資物件を所有するメリット
不動産投資をする場合、相続税の節税や老後の暮らしに充てる資金の確保、土地の有効利用、生命保険としての活用(団体信用生命保険に加入する場合)など様々なメリットを期待できます。ローンの返済計画が順調で、かつ高い入居率をキープし続ける事が出来る場合、家賃収入として得る分もかなり大きくなるでしょう。一棟目の投資が上手くいっているオーナーの方は二棟目・三棟目の投資も考えるかもしれません。一棟目で培ったノウハウや経験がある方は、管理業務やメンテナンスの具合、家賃設定など、経営に必要なプロセスがより効率化できるでしょう。その分収益性の高い運営につながると期待できます。
複数所有の場合の別のメリットは金融機関から融資が受けやすくなるという点です。二棟目の購入と一棟目の購入時期の開き方や返済状況にもよるものの、仮に一棟目の返済がスムーズか既に完了している場合は、金融機関からの信頼も厚くなっているはずです。
「リスクの分散」という利点もあります。仮に二棟のアパートを所有していて、片方の経営が空室や設備の老朽化などで軌道に乗らない場合、もう片方の物件で補てんするという道があります。
複数アパートを建てるときの注意
複数アパートへの投資はメリットだけでなくデメリットも存在します。先述のリスク分散についての追記となりますが、所有している複数のアパートが全て収益率が高いか、高いものと低いものとが混在している場合はリスクマネジメントが成り立ちます。しかし仮に全ての不動産が高い空室率に見舞われた場合、ローンの返済という大きな負担がのしかかる可能性が高まります。一棟所有の場合よりも返済負担はずっと大きくなります。
さらにある程度の規模の投資になる場合は税金が発生する事も忘れてはいけません。住宅用物件の場合、10戸以上の部屋数を保有していることで事業税が発生します。物件の購入価格以外のコストを常に意識している必要があります。
複数アパートを所有する際に出来る事
複数アパート投資の際の一番大きなリスクは家賃収入の不安定さでしょう。もし同じ立地に同じ条件のアパートを所有している場合、居住者のニーズや災害などの観点から、投資上共倒れしてしまう恐れがあります。そのため立地を変える、対象居住者の違う間取りのアパートに投資するなどして、違うタイプのアパートを所有する工夫ができるでしょう。また二棟目以降の購入は、少なくとも一棟目の家賃収入が安定してきてからか、返済完了の見通しがたってからにする方が賢明です。