過去に事故物件になっているアパートでも大丈夫？
事故物件とは
アパートやマンションにおいて、「事故物件（「瑕疵物件」とも呼ばれる）」と呼ばれる物件が存在します。多くの方はこの言葉を聞いたことがあるでしょう。事故物件と聞いて過去に何か陰湿な事が起きたと考える方もいらっしゃいます。殺人事件があった、入居者が自殺した、火災があったといったネガティブな物件と判断します。確かにこうした問題が発生した物件も事故物件として処理されます。
過去の入居者に関連した問題だけでなく、近隣の環境によっても事故物件とみなされる事があります。例えば墓地や問題を起こした反社会勢力の事務所が近くにあったり、ゴミ処理や火葬が行われたりする場所がある場合も事故物件として見なされるでしょう。物件に不具合がある場合(傾きがある、白アリ被害に遭った、雨漏りがする等)もやはり事故物件です。ちなみに自然死の場合は事故物件とは通常見なされません。
心理的要因が大きい事故物件は避けた方が良い
上記のように事故物件には様々な種類がありますが、大きく分けて心理的要因によるもの、環境によるもの、物理的な要因のものなどがあります。自殺や他殺といった要素は心理的なものに分けられるでしょう。また白アリ被害や雨漏りなどは物理的な事故物件に該当すると言えます。暴力団事務所やゴミ処理施設が近隣にあるという事例は環境要因のものです。このうち心理的な事故物件に関しては、投資対象として見るにはいささかハードルが高いです。そうした物件に住む事を全く意に介さないという居住者もいるものの、全ての方がそうだというわけではありません。仮にそういうタイプの方が数百人、数千人いて住居を探しているとしても、その物件がある立地、あるいはその物件の設備や機能性に心を惹かれるとも限りません。人は感情がある以上、心理的なイメージからその物件が人気を博すとは期待できません。よほど家賃が安いか超好立地にあるという場合はまだしも、投資初心者にとって心理的事故物件には手を出さない方が無難でしょう。
なお自分でコントロールできる範囲が限られているという点では、環境要因のものもオススメはできません。
物理的事故物件は修繕で解決できる事もある
物理的な要因の瑕疵物件の場合、問題が比較的軽微な場合は修繕する事でさほど大きな問題にならないと言えます。例えば白アリや雨漏り、ひび割れといった問題は修繕費用も少なくて済みます。修繕費の計算は当然必要とはいえ、修繕費と購入価格を比較して大きな負担にならない場合は購入の価値はあります。もちろんそのアパートがさほど良い立地にあるわけでもなく設備も古い場合は別です。あくまでその中古アパートに魅力がある場合です。
ただし地盤沈下で傾いているといったケースでは、数百万円~一千万円ほど費用がかかる事もありえます。修繕費用が高額になるケースの場合は、あえてその事故物件を選ぶ価値はないとも言えます。
