相続税の仕組みや税率詳細まとめ

相続税はどんな税？

税金には様々な種類がありますが、有名な税金の一つに相続税があります。この税金は名前の通り、ある人が死亡を理由に財産が相続される際にかかる税金の事です。この税金は相続税法に準じて課されるもので、相続税と贈与税の2つの税金が同法で設定されています。贈与税とは相続税を補完する位置づけにあります。相続税と贈与税の違いは、財産を持つ方が生存している時に渡されるかどうかの違いです。相続税は贈与者(財産の所有者)が無くなった際に課される税金なのに対し、贈与者が生きている間に財産を他人に渡す際にかかる税が贈与税です。「相続税がかからないようにするために生前中に財産を渡す」という税金逃れを防ぐために贈与税は制定されました。贈与税の税率は相続税よりも高くなっています。

相続税はどんな仕組みか

相続税がどのように徴収されるかを見てみましょう。まず相続の一般的な流れからです。相続税は被相続人(亡くなった人であり全財産所有者)が無くなった瞬間から適用されます。被相続人が亡くなると死亡届が提出されます。遺言書や民法の基準によって、相続財産の分配が決められます。相続財産が徹底的に調べられた上で財産目録が作成されます。これに基づいて手続きが行われ、相続人達は財産分配に関する話し合いを行います。その協議の結果は「遺産分割協議書」として作成されます。その後不動産の移転登記や、預貯金がある場合はその名義変更などが行われます。これらの一連の流れが終わった後に税務署への申告と納付が実施されます。これらの作業を全て行う事は簡単ではありません。被相続人の死亡時から10カ月以内に納税する必要もあります。そのため税理士に相談する方が賢明です。

相続税は必ず払う？

相続税は全ての財産に適用されるわけではありません。極端な話、仮に被相続人の預貯金が1,000円の場合、それに対して相続税がかかることはありません。あくまで一定金額を超える財産に対してかかります。所得税などと同様、相続税にも基礎控除があります{基礎控除額=3,000万円+（600万円×法定相続人数）}。そのため財産評価額が基礎控除額を下回る限りは払う必要はありません（基礎控除を超えてもかからないケースもあります）。この場合税務署に連絡する必要もありません(控除額を超えて非課税となる場合は深刻が必要)。
相続税の計算方法は以下の通りです。まず被相続人の財産全ての価格を算出します（マイナス財産も計算する）。この時点で基礎控除額を上回らない場合は非課税です。しかし上回る場合は引き続き計算が行われます。
課税対象となる遺産総額を、法定相続分（民法で定められた相続比率）で相続したと仮定します。この場合財産相続割合は決まっています（配偶者は半分で、子どもが残りの半分を人数分で割る）。各人の相続分が算出された後、既定の税率表を基準に相続税額が決まります。税率表は以下の通りです。左から取得額、税率、控除額です。

・1000万円以下 10％ 0円
・3000万円以下 15％ 50万円
・5000万円以下 20％ 200万円
・1億円以下 30％ 700万円
・2億円以下 40％ 1700万円
・3億円以下 45％ 2700万円
・6億円以下 50％ 4200万円
・6億円超 55％ 7200万円

なお基礎控除以外に、配偶者控除や未成年者控除、障害者控除などがあります。特定の条件を満たした場合に適用されますが、これらの控除によって最終的に相続税がかからない場合もあります。